遺言-自筆証書遺言1
- urushihara5
- 2023年3月15日
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「相続」を「争族」としないために遺言を作成しましょうとはよく言われるところであり、弁護士の立場からそのとおりだと思います。
とはいえ、最近読んだ森村誠一さんの「老いの正体」(角川 2022.3初版)という本の中に、「遺言書などと大げさなことをするほどのことはないと考えている人でも、最低限のことだけは書き残しておくべきだ。」とあるのに接し、遺言作成は一般の方にはハードルが高いようであることに思い至りました。
そこで、実際にどれくらい遺言の作成がなされているか調べてみました。
遺言には主に自筆証書遺言と公正証書遺言があるのですが、まず、自筆証書遺言について
これは、自分で全文、日付、氏名を自書(手書き)し、押印することで成立する遺言ですが
遺言者が亡くなった後、家庭裁判所で検認(*)という手続きをとる必要があります。
裁判所が発表している司法統計をみてみると、全国の家庭裁判所への検認の申立件数は平成28年から年間1万7000件台で推移し、令和元年に1万8000件を超え、令和3年は約1万9500件となっています。
検認手続きにあがってこない埋もれたままの遺言書があることも想像されますが、遺言の執行(不動産の相続登記や金融機関での相続手続き)には検認を経ていることが必要ですから、それらはなかったのも同然でありここでは無視してよいと思います。
従って、検認申立件数をもって自筆証書遺言の作成数とみてよいのではないかと思いますが、この数字は、全国の年間死者数のうち75歳以上の方は、平成28年頃から毎年だいたい100万人位のようですから(人口動態統計)、それとの比較でかなり少ないのではないか、検認件数が少しずつ増加傾向にあるとはいえやはり遺言作成のハードルの高さを示していると思いました。
*検認
遺言書の形状、状態などを確認し、その内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続きで、遺言の有効・無効を判断するものではありません。
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