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公正証書遺言

  • urushihara5
  • 2023年5月29日
  • 読了時間: 2分

 公証人が関与して作成される遺言であり、弁護士が勧めるのは公正証書遺言と申しましたが、こちらもどれくらい作成されているか調べてみました。

 日本公証人連合会という全国組織が、1年間に全国で作成された件数を毎年公表しているのですが、令和4年中の作成数は11万1977件ということでした。

 令和2年に10万件を下回ったことがありましたが、それはコロナ禍の影響によるものと思われ、ここ数年は11万件台となっているようです。毎年ほぼ同じような数字というのも不思議な気がしますが、自筆証書遺言より多いとはいえ年間11万件というのは、75歳以上の高齢者人口が約1900万人であること(2022年の人口推計)からするとやはり少ないと思います。


 前にも触れた森村誠一さんの「老いの正体」の中では、「公正証書遺言が、変造されたりするリスクが低い比較的安全な方法だが、少々面倒なのは確かだ。」とあることからするとこの数字もやむを得ないのかなと思います。


 とはいえ、特に以下のようなケースは紛争をできるだけ回避するため遺言を作成しておくべきだと思います。

・夫婦に子がなく、配偶者と兄弟姉妹や代襲相続人(*)の甥姪が相続人となる場合

・単身で兄弟姉妹や代襲相続人(*)の甥姪が相続人となる場合

・先妻の子と後妻や後妻の子がいる場合

・事実婚の夫婦の場合

  現行法上、事実婚の夫、妻には相続権は認められていないため、遺産を与えるには遺言 

  作成が必要です。

・一部の相続人に、法定相続分よい多く(少なく)財産を与えたい場合


*だいしゅうそうぞくにん、と言い、ここでは相続開始以前に相続人となるべき兄弟姉妹が

 死亡している場合はその子(甥、姪)が相続権を有するというもの






 
 
 

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